研究について

研究成果

軟弱地盤における山留め掘削の事例とその解析

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 028-04-02 1989年12月
執筆者 田中洋行、足立二雄、豊田奉節
所属 土質部 地盤調査研究室
要旨

東京国際空港沖合展開事業でアクセス道路建設のための大規模な山留掘削工事が実施された。一部の工区で山留壁の変位が大きくなり、中間杭が浮き上がる等の危険な兆候が観測されたため、工事を中断し対策工を施した。本報告は、施工中に得られた観測データ、現行設計法による照査、当地区の乱さない試料を用いた三軸試験を実施し、大きな変形が生じた原因について調べたものである。
 主要な結論は以下の通りである。
(1)観測データの解析により、掘削底面下の受働土圧が当初の設定より小さな土圧しか発揮せず、このため山留壁が掘削側に大きく変形し、この動きに連動して中間杭が浮き上がったと考えられる。
(2)一軸圧縮強度の代わりに三軸伸張強度用いると、計測された土圧分布を良く説明でき、また弾塑性法による計算方法でも問題の生じた工区とそうでない工区を明確に区別することができた。

全文 /PDF/vol028-no04-02.pdf