研究について

研究成果

有限要素法による潮汐流の数値計算

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0404 1981年12月
執筆者 村上和男
所属 海洋水理部 海水汚染水理研究室
要旨

 有限要素法を用いて潮汐流の計算を実施した。ここでは、簡単な地形のく(短)形湾と実海域の東京湾とを例に取り上げ、有限要素法の持つ特性、および数値モデルの持つ各種パラメーターの計算結果に及ぼす影響について考察した。さらに、東京湾については差分法(ここではADI法)による計算も実施し、有限要素法と差分法との比較検討を行った。
 計算結果は、どちらの手法においてもおおむね現地観測結果を良く表現しているものと思われる。同程度の要素数(格子数)の計算では、差分法の方が計算時間が短かくてすみ、かつ安定である。しかしながら、有限要素法の方が地形表現おいて、より便利でかつ正確である。このことは、有限要素法においては、ある領域についてのみ要素を細かく分割することが可能であり、詳細な計算をする際に計算時間においても差分法と対抗できることを示している。

全文 /PDF/no0404.pdf