研究について

研究成果

壁面付着力を考慮した簡便な地震時土圧式と2、3の考察

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0398 1981年09月
執筆者 松並仁茂
所属 設計基準部 設計基準部長
要旨

 構造物の設計において、地震時土圧の検討は広く行われているが、砂質土地盤の土圧算定法はともかく、粘性土地盤のそれは、きわめて不十分であるとされている。これを多少とも補うため、新たに壁面付着力を考慮した地震時土圧式を導いた。この式の特徴と利用範囲を明確にするため、つぎのような検討を行ったが、一応の成果を得た。
(1)根入れ部が粘土地盤内にある矢板護岸の模型振動実験の結果と比較したが、矢板根入れ部の水中変位および曲げモーメント分布による根入れの安定度については、提案式は実験値とかなりな程度で一致することが確認された。
(2)市原らのソコロフスキーの地震時土圧式の提案式は実用の範囲内でよく一致するほか、計算可能限界についても同様な結果を示すことが明らかになった。
(3)提案式を利用するうえで、壁面摩擦角の採り方と台形地形の受動土圧の計算方法の2項目を検討したが、これらについて新たな提案を行った。

全文 /PDF/no0398.pdf