研究について

研究成果

波の連なりの統計的性質について

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 015-03-01 1976年09月
執筆者 合田良実
所属 海洋水理部 波浪研究室
要旨

 海の波の不規則の波形の中で、波高の大きな波が数波連なって現れる現象について最近の研究成果を整理し、現在までの知見を統一的に提示した。
 まず、高波の継続波数の分布はランダム現象の理論で計算でき、この結果は波のスペクトルの帯域幅が非常に広い場合の漸近値を与える。実際の波浪では、前後の波高の間に弱い相関があり、波の連なりが理論値よりもやや長くなる。波の連なりの長さは、波のスペクトルと関連づけた波の包絡波形の理論によっても計算され、特に狭帯域スペクトルを有する波に対して適用できる。
 これらの理論値は、現地波浪および数値シミュレーションのデータと比較された。また、各記録中の最高波を含むという条件付きの波の連なりの長さの度数分布を提示した。
 最後に、波の連なりの概念の応用についての考察を述べた。

全文 /PDF/vol015-no03-01.pdf