研究について

研究成果

対数分布の吹送流に対する波速の計算

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 013-04-01 1974年12月
執筆者 加藤始
所属 海洋水理部 水理研究室
要旨

 この報告では、吹送流が波速におよぼす影響をできるだけ正確に求めることが試みられている。まず実験の吹送流の分布によくあてはまる対数分布を導入する。次にその速度分布をもつ流れの中の復小振幅波の波速を、せつ動法により第2次近似まで計算している。
 実験室での吹送流においては、パラメータε(表面流速と静水中の波速の比)はあまり小さくならない。しかし数値計算の結果では、前に計算した放物線分布の場合と同様に、εがあまり小さくなくても第2近似項からの寄与は非常に小さなことが見出される。また今回の分布について求めた波速は、前の放物線分布に対する波速よりもかなり小さく、一方、反流に対応して水底近くでの流速分布を変化させても、波速には大した差の出ないことがわかった。このことは、波速の計算には、水面のすぐ近くでの吹送流分布の正確さが重要であることを示している。

全文 /PDF/vol013-no04-01.pdf