研究について

研究成果

東京湾沿岸地域の大地震時における地盤加速度(その2)-土のセン断弾性係数、減衰定数のヒズミ依存性を考慮した場合-

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 0194 1974年09月
執筆者 上部達生、野田節男
所属 構造部 耐震構造研究室
要旨

 東京湾沿岸地域における地震防災対策の基礎資料として、大地震時における代表的地点の地表での最大加速度を土のセン断弾性係数および減衰定数がヒズミレベルによって変化することを考慮して求めた。以下明らかになった事項と問題点を列記する。
1)関東地方に大地震が発生した場合、東京湾沿岸地域では300~400galの最大加速度が予想される。最も大きい加速度及び土中のヒズミはそれぞれ、500gal弱、1.8%であった。
2)地表の最大加速度は地域的に大差がないが、各地点の地盤の固有振動数は軟弱地盤において約0.7Hz、硬地盤で約2Hzであり、過去の木造家屋の被害率からみると軟弱地盤地域はより危険度が高いと思われる。
3)ここで求まった最大加速度がそのまま現行設計法における震度とは結びつかない天に注意を要する。最大加速度と震度の関係は検討されるべき課題である。

全文 /PDF/no0194.pdf