研究について

研究成果

海岸堤防の大型模型振動実験と円形すべり安定計算(第2報)-砂質粘土からできた堤体の場合-

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 012-02-02 1973年06月
執筆者 野田節男、土田肇、倉田栄一
所属 構造部 主任研究官
要旨

 砂質粘土で作られた海岸堤防の実物大模型振動実験を実施し、震度法を適用した円形すべり計算法によりその安定性を検討した。本稿は、海岸堤防の耐震性を確立するために行った調査・研究の一部で既に報告した砂質土堤防に関する同様な研究に続くものである。
 一般に実験的手法により土構造物を検討するには、原型と模型の間の相似律を満足することが困難である。一方実在構造物に対し破壊試験を実施する事は実際には不可能である。しかし、本実験の条件は実在堤防が大地震を受けたと同様であると見なせるので、これより耐震性の検討に有力な資料が得られた。
 実験結果によると、砂質粘土堤防の振動応答は顕著であるが、かなりの地盤速度を受手もすべり破壊や大きな沈下は発生せず、天端や法肩の崩れ落ちを見た。円形すべり法による安定解析では、堤防の振動特性を考慮して適当な震度分布を選ぶのが合理的と思われる。

全文 /PDF/vol012-no02-02.pdf