研究について

研究成果

水面波上の風の乱流構造に関する実験的研究

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 010-01-01 1971年03月
執筆者 加藤始、佐野喜久雄
所属 水工部 高潮津波研究室
要旨

 X-型熱線風速計を使い、ディジタルの方法で、風洞水路において3種類の波の上での風速の水平・垂直変動成分u′、w′の測定を行なった。石ケンで風波を消した長周期波のみの場合には、波の位相ごとにとった風速の平均値から、波によって起こされた風速変動とレイノルズ応力を求めた。風波のみの場合にも、波のすぐ上の高さにはかなりの波による風速変動が存在したが、それらはほぼ90°の位相のずれを持ち、あまりレイノルズ応力を構成しなかった。長周期波と小さい風波の共存する場合には、波によるレイノルズ応力は明確に負の値をとった。
 繰返し行なった風波のみのケースでは、-u′w′の測定値に季節的な差が見出されたが、真夏以外の季節での結果からは、乱れのレイノズル応力が波峯の上のすぐ近くの高さでほぼ一定になり、その値は、対数法則を風速分布の水面近くの部分に適用して求めた表面せん断力の大きさと、おおよそ一致することがわかった。

全文 /PDF/vol010-no01-01.pdf