研究について

研究成果

流れの中の風波についての実験的研究(1)

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 009-03-02 1970年09月
執筆者 加藤始、佐野喜久雄
所属 水工部 高潮津波研究室
要旨

水循環装置のついた大型風洞水路で、逆流のあるときの風波の測定を行なった。波高計の記録から直接計算された見かけの波のスペクトルから真のスペクトルを求めるため、実験での流速分布に対応した、線型1次近似の理論的な波速を計算し、波の方向分散は無視してスペクトル変換を行なった。えられた真のスペクトルは、高周波数部分において多少おかしいところもあるが、低周波数部分については信頼できそうである。
 逆流のある場合の卓越波の波長を真のスペクトルから求めたところ、流れのない場合よりかなり大きいが、これは逆流があると水路の風上端にすでにかなりの波が生じているためで、波長のフエッチにたいする増加の割合は流れなしのときと同じ程度であった。またスペクトルのパワーから求めたH1/3も、大部分逆流のあるときの方が大きいが、そのフェッチにたいする増加の割合は、逆に、流れなしのときより小さくなっている。

全文 /PDF/vol009-no03-01.pdf