研究について

研究成果

水波上の風の性質について

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 007-04-01 1968年12月
執筆者 浜田徳一
所属 水工部 水理研究室
要旨

 水波上の風の性質についてその一般流の特性と波によるせつ動流の特性について述べたものである。一般流の特性については、波の存在のため風速文布が対数法則からかたよることについて検討し、所謂“critical point”からの不安定Reynolds応力の発生、あるいは水面の動揺の効果だけではこの問題は説明しがたいことを示した。そして水波面上の気流が波面からのすべりまたははくりを生ずる場合、新しい不安定Reynolds応力およびjet効果が現われることにより、より合理的に説明し得ることを示した。
 波によるせつ動流の特性については、U′=0の場合につき、その3次近似までを求めてこの場合の一般的性質を明かにし、またZc点近傍におけるせつ動流の質量輸送速度の特性を調べている。ついでU′≠0の場合についてその近似解を求め、せつ動流による不安定Reynolds応力の形式の機構、また質量輸送の特性を明らかにした。
 つぎに水波面における境界条件に多少の変更を与えた場合に新しい不安定Reynolds応力が形成されるこを示し、これによれば舷材までの実験観測結果は比較的よく説明される。

全文 /PDF/vol007-no04-01.pdf