沿岸環境研究グループ

【内湾スケール】植生抵抗を考慮した炭素循環モデルの開発

Coastal and Estuarine Environment Group

植生抵抗を考慮した新たな炭素循環モデルを開発しています。
海草などが繁茂する生産性の高い海域では、海草が流れに対する抵抗体となって有機物などの集積効果を高め、ブルーカーボンを促進している可能性が指摘されてきました。これまでに流れなどの「物理」作用が海草の成長など「生物」側に一方向に与える影響についてのモデル研究は精力的に行われてきましたが、海草が植生抵抗となって流れに及ぼす影響については水槽実験レベルに留まっていました。また、海草は葉の長さなどが時々刻々変化する可変抵抗体となりますが、その変化も十分に考慮できていません。
そこで私達の研究グループでは、植生抵抗を季節変化と共に実海域スケールで考慮できる新たな物理モデルを開発しました。北海道風蓮湖に適用して数値実験を行った結果、植生抵抗によって湖内全体の流速が50-70%減衰している可能性が示されました。( Moki et al., 2020 )
現在、この植生抵抗が炭素循環に及ぼす影響を定量評価できる新しい炭素循環モデルの開発を進めています。

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