研究について 臨海都市部の津波による浸水公開実験を実施

海洋・水工部 波浪研究室では、1月30日に環境インテリジェント水槽を用いて、臨海都市部の津波による浸水公開実験を行いました。 実験では、当該水槽の一角に設置した地下駐車場を有する3次元市街地模型(1/50、東京湾沿岸の臨海都市部がモデル)に対し、関東大震災級の地震を想定した津波を作用させ、浸水状況を観察しました。 実験の結果としては、地震発生から約30分後に護岸からの浸水が始まり、その後、約30分で対象領域が冠水すること、地下駐車場における氾濫水の流速は4.3m/sと非常に速く、護岸における速度の3倍以上にもなることなどが分かりました。 この実験の成果は、臨海都市部における浸水の危険度を適切に評価し、様々な防災レベルに応じた適切な防災対策を提案することに活用されます。 (公開実験参加者:約10名)

※環境インテリジェント水槽は、(幅)29.0m×(長さ)36.0m×(深さ)1.3mの平面水槽で、2つの側面とコーナー部に設置した合計96枚の造 波板の動きにより、沿岸の多方向不規則な波を再現することができます。また、水槽全周に設置した潮流発生装置により、沿岸の様々な流れを再現することがで き、これらを併せて、波と流れを再現した総合的な実験を行うことができる実験施設となっています。今回の実験は、この潮流発生装置を利用して津波波形を再 現するように水位を上昇させ、護岸からの越流をさせました。

実験の様子(写真)

実験の様子(写真)の画像1

浸水時間分布

実験の様子(写真)の画像2

市街地浸水状況

実験の様子(動画)