研究について

研究成果

浮上式音響測位装置を用いた水中建設機械の測位と水中遠隔操作実験報告

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 63-3-3 2024年09月
執筆者 平林 丈嗣、佐藤 智夫
所属 インフラDX研究領域 サイバーフィジカル研究グループ
要旨  透明度の高い沖縄での海洋工事においては,潜水士搭乗型の水中バックホウが既に導入されており,水中作業の機械化による施工効率向上や潜水士の肉体的負担軽減に大きく寄与している.さらに近年,安全性及び生産性の一層の向上を図るべく,水中バックホウを対象として,ICT(Information and Communication Technology)として,マシンガイダンス技術や遠隔操作技術について研究開発が行われている.水中における建設機械の管理や遠隔操作には,水中における高精度な測位技術が必要であるが,浅海域かつ,構造物の存在する港湾域では,音の多重反射により正確な測位が困難であった.筆者らはこのような課題に対し,基線長を長くとることが可能な衛星測位を活用した浮上式音響測位装置を開発し,水中建設機械の位置を検出する実験を行った.京浜港ドックにおける実験では,提案する浮上式音響測位装置の計測値と光学測量器による計測値との差は34mm~188mm,標準偏差は,11mm~33mmの結果を得た.  また同一工区に存在する複数の作業機械の情報をリアルタイムに管理する水中作業情報管理システムを提案し,京浜港ドックにおける実験では,濁水中でも複数の操作者が水中の作業状況を共有認識することが可能であることを確認した.  さらに,今後のICT型水中バックホウの普及を目的に,衛星測位を活用した浮上式音響測位技術およびICT型水中バックホウ技術に関連する技術情報を整理し,京浜港ドック実験時の作業手順,運用方法を,「衛星測位を活用した高精度音響測位技術とICT型水中バックホウ技術の技術開発事例(案)」として取りまとめ,巻末付録とした. キーワード:水中バックホウ,音響測位技術,水中機械化施工
全文 REPORT63-3-3本文(PDF/33.112KB)
REPORT63-3-3表紙・奥付(PDF/377KB)