研究について
研究成果
中間土へのスパッドカン貫入・引抜に関する遠心模型実験およびMPMによる数値解析
発行年月 | 港湾空港技術研究所 報告 63-3-2 2024年09月 |
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執筆者 | 杉山 友理、高橋 英紀、中村 圭太 |
所属 | 地盤研究領域 土質研究グループ |
要旨 | 本稿の2章~5章はOcean Engineeringで公表済みの内容(Sugiyama & Takahashi, 2024)を和訳したものである. 洋上風力発電設備の建設にはジャッキアップ型の自己昇降式作業台船(SEP船)が利用され,スパッドカン貫入時および引抜時の地盤挙動について検討が進められている.本研究では,砂地盤と粘性土地盤に加えて,細粒分含有率の異なる混合土を用いて,貫入,荷役時の繰り返し載荷,引抜,再貫入という実際に行われる一連のオペレーションを遠心模型実験で再現した.また,中間土の特性を把握してレグに対する安定性や支持力特性を明らかにすることが必要不可欠であることから,遠心模型実験に先だって中間土の特性を知るため,圧密・透水・三軸試験を実施し,物理,力学特性を把握した.貫入時の部分排水がスパッドカンの支持力推定に与える影響について検討するため,推定式を用いた支持力計算および,MPMを用いた遠心模型実験の再現解析を実施した. 要素試験の結果,細粒分含有率が20%を超えると,透水性,圧密特性やせん断特性が変化し,部分排水条件でレグが貫入される可能性があることを示した.また,細粒分含有率が50%を超えると粘性土とほとんど同様の特性に近づくことが分かった.遠心模型実験の結果,細粒分含有率が増加するほど貫入抵抗が低下する傾向を示し,再貫入時の貫入抵抗は細粒分含有率が小さいケースでは貫入による圧縮により増加する結果を得た.また,既存の支持力式を用いた検討により,中間土の支持力推定には部分排水による影響を考慮する必要があることを示した.MPMによる再現解析では,内部摩擦角を適切に設定することで実験結果に良く一致する解析結果を得ることができた. キーワード:スパッドカン,貫入,引抜,遠心模型実験,支持力,中間土,MPM |
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