研究について

研究成果

桟橋式係留施設の既設杭を活用した耐震改良工法に関する研究

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 58-2-2 2020年02月
執筆者 近藤明彦・小濱英司・高橋康弘・吉田秀樹・渡辺健二・国生隼人・天野俊・小山萌弥・永瀬翔平・藤澤孝夫・岡島伸行・阿部哲志・ 井上真志・吉原到・佃陸郎・植田智幸・原田典佳・永尾直也・及川森
所属 地震防災研究領域 耐震構造研究グループ
要旨

 港湾構造物の設計時に考慮する地震作用は一般的に過去より大きくなっていることから、既存施設の耐震性を向上させる方法に関する需要が高まっている。特に民間係留施設においては、経年劣化が進展する一方で更新に対する余力が低下しており、比較的安価な工法が必要とされている。
 そこで、本研究では、桟橋式係留施設を対象としてコストを抑えつつ、耐震性向上を簡易に実施できる耐震補強工法の開発を目的として、ストラット追設と増杭による改良工法を対象として検討を行った。この構造では、既設桟橋の上部工を撤去して、既設杭を取り除かずに構造部材として活用することを想定しており、既設杭間に新たに上部工に接続する杭を増杭して、杭頭を切断した既設杭と新設杭をストラットで接続する。このため、地震荷重に対して既設杭と新設杭がストラットによって一体となって耐荷する構造となり、全て新設する場合と比較して既設杭の引き抜き工程の省略による工期短縮、新設杭の打設本数と断面の低減によるコスト縮減効果が期待できる。
 本報告では、この耐震改良工法について、三次元水中振動台による模型振動実験、対象構造の非線形動的有限要素法におけるモデル化手法の検討と実験結果の再現解析、実規模断面における改良効果と効果的なストラット諸元の検討を行った結果を報告する。

キーワード:ストラット追設、増杭、直杭式桟橋、三次元水中振動台、FLIP

全文 REPORT58-2-2(PDF/4,316KB)