研究について

研究成果

海面処分場における杭基礎の適用性(その2)―焼却灰を主とする廃棄物地盤における打設実験と杭周面透水試験―

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 1344 2018年06月
執筆者 水谷崇亮、森川嘉之、渡部要一、津田行男、宮原祐二、松本貴之、松尾淳、市川雅、松本伸春、高木悌二、上中一弘
所属 地盤研究領域 基礎工研究チーム
要旨

 廃棄物の水面埋立処分を目的として海面に建設される最終処分場の埋立終了後の土地活用を促進するためには、廃棄物からなる地盤における構造物建設技術の向上に向けた研究が不可欠である。その一環として、廃棄物処分場における杭の施工方法の検討のため実証実験を行った。
 試験地は焼却灰を主体とする地盤である。試行した施工方法は、オールケーシングにより廃棄物層を撤去した後に杭を中掘り圧入する工法、中掘り圧入工法又は油圧ハンマーによる打撃工法で廃棄物層に直接杭を施工する工法、打撃工法で杭を施工し杭先端部の拡大掘削等の補助工法を併用する工法である。いずれも杭径1000mmの鋼管杭を使用した。廃棄物層における施工性、杭先端部における廃棄物の連込み状況、杭施工後の遮水性に着目して検証した結果、次のような知見を得た。
 いずれの工法でも杭の施工は可能であった。オールケーシングにより廃棄物層を撤去した後に杭を施工する工法は比較的適用性が高い一方、中掘り圧入工法、打撃工法、打撃工法に補助工法を併用する工法ではいくつかの課題が確認され施工上の工夫を要するなど適用性がやや低いと判断された。遮水性はいずれの工法によっても良好に維持された。

キーワード:海面処分場、杭、廃棄物層、粘土層、遮水

全文 TECHNICALNOTE1344(PDF/8,274KB)