研究について

研究成果

既設アスファルト混合物のはく離抵抗性評価方法の検討

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 1315 2015年12月
執筆者 河村 直哉、森川 嘉之、伊豆 太、坪川 将丈
所属 構造研究領域 空港舗装研究チーム
要旨

 本研究は、はく離が生じた既設アスファルト混合物層の切削判断に資する、アスファルト混合物のはく離抵抗性評価方法を確立することを目的とした。本論では、ASTM D4867/D4868M-04のはく離促進方法(ASTM促進法)に基づくはく離抵抗性評価方法を検討した。まず、はく離抵抗性の評価に用いる力学量を選定するために、はく離に伴う力学性状の変化の評価に適した力学量を検討した。次に、ASTM促進法とその一部の条件を変更した方法に基づくはく離抵抗性評価方法が、はく離の生じたアスファルト混合物(はく離混合物)の判別に適用できるかを検討した。本研究で得られた主な知見は以下の通りである。
1) 試験温度25oCで求めた圧裂強度が、はく離に伴う力学性状の変化の評価に適した力学量であることを示した。
2) ASTM促進法のはく離促進条件(温水養生温度60℃・温水養生日数1日)で得られる残留圧裂強度比は、はく離混合物と健全な混合物の違いを判別できる可能性があることを示した。
3) 各種はく離促進条件におけるはく離混合物の判定精度を試算した結果、判定精度が総合的に高い条件は、ASTM促進法のはく離促進条件(温水養生温度60℃・温水養生日数1日)であることを示した。

キーワード:空港アスファルト舗装,切削オーバーレイ,はく離,圧裂強度,ASTM D4867/D4868M-04

全文 TECHNICALNOTE1315(PDF/1,812KB)