国土交通省（2000年12月以前は運輸省）港湾局は1970年以来、関係機関との相互協力の下、全国港湾海洋波浪情報網（NOWPHAS：Nationwide Ocean Wave information network for Ports and HArbourS）を構築し、全国沿岸の波浪の観測・集中処理・解析を実施してきた。その中で独立行政法人港湾空港技術研究所は集中処理・解析を担当している。本資料は、1970年から刊行してきた波浪観測年報の2013年版であり、全76観測地点の内、下線で示す通年欠測の1地点を除く計75地点を掲載している。なお、*印を付したGPS波浪計は2012年版から1地点増えて全16地点である。

日本海沿岸海域：留萌、石狩新港、瀬棚、青森、深浦、秋田、酒田、新潟沖、直江津、富山、伏木富山、輪島、金沢、福井、敦賀、柴山、柴山(港内)、鳥取、境港、浜田、藍島、玄界灘、青森西岸沖*、秋田県沖*、山形県沖*

東シナ海沿岸海域：伊王島、熊本、名瀬、那覇 　

オホーツク海沿岸海域：紋別(南) 　

太平洋沿岸海域：釧路、十勝、苫小牧、むつ小川原、八戸、久慈、釜石、宮古、石巻、仙台新港、相馬、小名浜、常陸那珂、鹿島、第二海堡、アシカ島、下田、清水、御前崎、伊勢湾、潮岬、神戸、小松島、室津、高知、上川口、苅田、細島、志布志湾、鹿児島、中城湾、平良沖、石垣沖、青森東岸沖*、岩手北部沖*、岩手中部沖*、岩手南部沖*、宮城北部沖*、宮城中部沖*、福島県沖*、静岡御前崎沖*、伊勢湾口沖*、三重尾鷲沖*、和歌山南西沖*、徳島海陽沖*、高知西部沖*

　これらの地点のうち、51地点で周期帯表示によるスペクトルの出現統計解析、69地点で連続観測による波浪観測統計を実施した。本2013年報から登場した伊勢湾口沖も含め2013年に既往最大有義波を更新した地点は、以下の沿岸波浪計7 地点（釧路は2 つ玉低気圧、それ以外は台風1326号による）と、 GPS波浪計4地点（青森西岸沖は日本海低気圧、それ以外は台風による）の計11地点である。とりわけ、10月に発生した台風1326号によって多くの地点で既往最大有義波高を更新した。 　

柴山：H1/3=7.30m,T1/3=11.0s,10月16日5時20分（波浪観測年報掲載は1996年以降）
柴山（港内）：H1/3=2.79m,T1/3=11.1s,10月16日5時00分（波浪観測年報掲載は2000年以降）
釧路：H1/3=8.06m,T1/3=12.0s,4月7日16時00分（波浪観測年報掲載は2005年以降）　
宮古：H1/3=6.99m,T1/3= 8.6s,10月16日11時00分（波浪観測年報掲載は2007年以降）
鹿島：H1/3=7.52m,T1/3=11.7s,10月16日8時20分（波浪観測年報掲載は1972年以降）
清水：H1/3=6.09m,T1/3=17.4s,10月16日7時20分（波浪観測年報掲載は1999年以降）　
御前崎：H1/3=9.91m,T1/3=16.8s,10月16日6時00分（波浪観測年報掲載は1988年以降）　
青森西岸沖：H1/3=8.21m,T1/3=11.3s,3月2日12時40分（波浪観測年報掲載は2011年以降）　
岩手中部沖：H1/3=9.13m,T1/3=13.6s,10月16日19時20分（波浪観測年報掲載は2009年以降）　
福島県沖：H1/3=8.79m,T1/3=13.0s,10月16日11時40分（波浪観測年報掲載は2009年以降）
伊勢湾口沖：H1/3=10.89m,T1/3=13.3s,9月16日6時40分（波浪観測年報掲載は2013年以降）

キーワード：全国港湾海洋波浪情報網（ナウファス），波浪観測，波浪統計，GPS 波浪計