研究について

研究成果

サンドウェーブ地形の発達予測計算モデルの開発

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 1297 2015年03月
執筆者 中村聡志
所属 沿岸環境研究領域 上席研究官(海浜変形解析担当)
要旨

 備讃瀬戸航路では、平成21年12月にその開発保全航路範囲が拡大され、維持管理の責任を負う面積は12倍に広がった。航路とその周辺では、多数存在するサンドウェーブ(波高数m波長数十m程度の連続した砂堆)によって、航路水深が局所的に浅くなることによる航行障害が生じており、その対応および航路障害を未然に防ぐため、計画的な維持管理を行うことが求められている。そこで、本研究では、地形形状や潮流速を外力条件として、簡易にサンドウェーブの発達を予測できる計算モデルを開発した。  
 サンドウェーブの発達予測モデルの基礎には、河床波の安定理論として古くから用いられているKennedy(1963)の河川流と河床波との相互作用をポテンシャル流理論と流砂の連続式で記述した解析的手法を用いている。サンドウェーブの発達予測モデルへの適用に際して、海底砂の水中安息角による制限条件、および、サンドウェーブの谷における砂礫移動の連続性による制限条件を加えた。また、サンドウェーブの勾配に比例する漂砂量を加えることによって、渦によるサンドウェーブ地形前面での砂礫の巻上げ、および、背面での堆積を考慮した、サンドウェーブ波高の時間発達式および移動速度の式を求めた。さらに、既存調査で得られているサンドウェーブの波高、波長、移動速度などの値をもとに、予測式に含まれるパラメタを決定した。

全文 TECHNICALNOTE1297(PDF/791KB)