研究について

研究成果

複数の高圧噴射ノズルによる地盤の掘削・攪拌性能評価

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 1293 2014年12月
執筆者 森川嘉之、 水谷崇亮、 菊池喜昭、 森安俊介、 妙中真治、 高橋健二、 横山博康
所属 地盤研究領域 地盤改良研究チーム
要旨

 高圧噴射式攪拌は、近接施工や既設構造物直近の地盤改良への対応として、適用事例が増大している。また高圧噴射により地盤を切削および攪拌固化する技術は、地盤改良だけでなく支持力増大を目的とした根固め杭工法などにも活用されている。地盤改良においては、改良体強度だけでなく、所定の出来形で改良体を造成することが重要である。このため、高圧噴射攪拌工法では、施工仕様と地盤特性および切削攪拌範囲の関係を把握しておく必要がある。  

 高圧噴射攪拌工法には、地盤の切削攪拌範囲の評価式を示しているものもある。しかし、これらの評価式には、噴射流体や地盤の特性がパラメータとして含まれていない。また、各工法では噴射方法などの工夫がなされているため、その切削範囲の評価式は各工法独自のものである。一方、Modoniら(2006)が、高圧噴射による地盤切削範囲の評価式を構築している。 この評価式は、単一ノズルによる高圧噴射を対象とするものの、噴射流体と地盤の特性およびそれらの相互作用を考慮したものである。このためグラウトではなくウォータージェットを使用する工法や複数の噴射ノズルを使用する工法などへの汎用性が期待される。
 そこで本資料では、複数の噴射ノズルで砂質地盤の切削攪拌を行う場合を対象として、模型実験および現地実験結果に基づいてModoniら(2006)の地盤切削範囲の評価式の適用性を検討した。その結果、複数の噴射ノズルで砂質地盤の切削攪拌を行う場合についても高い適用性があることが分かった。さらに、本評価式を用いて仕様を決定した根固め杭の実物大現地実験を行い、根固め部の出来形と強度や均質性など品質の評価を行った。

全文 TECHNICALNOTE1293(PDF/2,718KB)