研究について

研究成果

高安定性アスファルト混合物の各種特性の評価

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 1280 2013年12月
執筆者 河村直哉、森川嘉之、村山雅人、平戸利明、前川亮太
所属 構造研究領域 空港舗装研究チーム
要旨  安定性アスファルト混合物は、道路荷重条件下において半たわみ性混合物に匹敵する優れた流動変形抵抗性が得られる一方で、従来の加熱アスファルト混合物と同様に施工後早期の交通解放が可能である。そのため、空港舗装のような荷重条件や時間的制約が厳しい環境下では、高いわだち掘れ抑制効果のある舗装材料として期待することができる。しかしながら、空港舗装への適用性が検討された例はほとんどなく、航空機荷重条件下におけるわだち掘れ抵抗性やグルービングの変形抵抗性など明らかにされていない部分がある。  そこで、本研究では、高安定性アスファルト混合物の滑走路等空港の基本施設の舗装への適用を目的とし、空港の舗装環境を想定した室内試験において高安定性アスファルト混合物の各種特性を明らかにするとともに、屋外試験においてこの材料を用いた舗装の施工性および大型航空機荷重に対する耐久性を調査した。その結果、室内試験では、航空機荷重を想定した荷重条件下において半たわみ性混合物と同等の流動変形抵抗性を得るためには、特殊添加材の添加量をアスファルト量のうち、25%以上添加する必要があることを示した。屋外試験では、特殊添加材の添加量25%における高安定性アスファルト混合物を用いた舗装の施工性に問題がないことを示した。また、大型航空機荷重下では、高安定性アスファルト混合物を用いた舗装のわだち掘れ抵抗性は、ポリマー改質アスファルトII型を用いた舗装と同程度であったものの、グルービングの塑性変形抵抗性には一定の優位性が確認された。
全文 /PDF/no1280.pdf