研究について

研究成果

維持管理を考慮した防波堤ケーソン側壁の耐衝撃設計に関する検討

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 1279 2013年12月
執筆者 川端雄一郎、加藤絵万、岩波光保
所属 構造研究領域 構造研究チーム
要旨  消波ブロック被覆堤では、消波ブロックがケーソン側壁に繰り返し衝突し、穴あきに至る局部破壊が発生する場合がある。ケーソン壁の穴あき損傷は中詰材の流出を招き、ケーソン本体の重量を減少させるため、滑動に対する安定性が低下し、防波堤の機能低下に至るケースもある。現行の港湾の施設の技術上の基準・同解説では、ケーソン側壁の局部破壊については考慮されておらず、耐衝撃設計・照査方法、また新設時における適切な予防対策の確立が不可欠である。また、防波堤新設時において、ケーソンの耐衝撃性を向上させることを目的とした予防対策を実施する上では、戦略的維持管理の観点からライフサイクルコスト(LCC)を検討することが肝要である。  そこで、本研究では、新設の防波堤ケーソンにおいて、予防対策がLCC縮減の観点から有利となる条件を明らかにすることを目的とした。具体的には、穴あき被災を受けた防波堤ケーソンを対象として、数種類の被災後補修シナリオに対して被災後補修費用を試算するとともに、予防対策を講じた場合の予防対策費用を試算し、それらの比較により、LCCの観点から予防対策が有利となる被災率を算定した。また、これまでの検討結果を基に、耐衝撃性に優れる防波堤ケーソンの設計マニュアル(案)として取りまとめた。
全文 /PDF/no1279.pdf