研究について

研究成果

W/Oエマルジョンを形成した水-重油系の流動特性と管摩擦損失の制御手法に関する研究

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 052-04-03 2013年12月
執筆者 藤田勇、松﨑義孝
所属 新技術研究開発領域 油濁対策研究チーム
要旨 流出油は海水と混合され、W/O型エマルジョンを形成することで、非常に流動性の乏しい非ニュートン流体へと特性を変化させるため、油回収過程並びにその後の移送過程において障害となる。特に管路を用いた輸送において過大な圧力損失を生じる問題は深刻である。本稿ではそうした問題の解決に向けてエマルジョン化した油の管内輸送を扱う。はじめに、エマルジョン化油の管摩擦損失実験を実施し、その結果をエマルジョンのレオロジー特性を考慮した管摩擦損失の式として整理する。次に管摩擦損失を低減する手法として注水による潤滑方法を検討する。CAF(Core Annular Flow)モデルを仮定し、摩擦損失比を注水率の関数で整理する手法を提案する。モデルにもとづき最適な注水量について考察する。続いて、薬剤によるエマルジョン分解に関して基礎実験を行い、エマルジョン分解速度の支配要因について検討し、強制攪拌装置を用いたインラインエマルジョン分解装置について論じる。さらに攪拌装置を用いない薬剤添加による摩擦損失低減手法を扱う。加えて、注水法および薬剤添加法の実用化例を紹介する。
全文 /PDF/no052-04-03.pdf