研究について
研究成果
不同沈下測定を目的とした車載型レーザースキャナ測量
発行年月 | 港湾空港技術研究所 資料 1263 2012年12月 |
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執筆者 | 渡部要一、田中政典 |
所属 | 地盤研究領域 土質研究チーム |
要旨 | 滑走路や誘導路といった空港施設では、路面の勾配や角折れが規定を満足しなければならず、かつ、埋立地に立地する空港では標高情報は沈下量管理とも直結する重要な情報である。これらの計測は一般に水準測量(レベル測量)によって行われているが、一部の新しい空港施設ではGPS測量も導入されている。しかし、広大な空港施設での計測は時間と労力を要することから、自動化された計測手法のような効率的な計測方法があれば、置き換えが進むものと期待される。本研究では、2010年10月に供用開始した羽田空港D滑走路において、車載型のレーザースキャナの適用性を検討することを目的として、スキャニング方向が異なる2機種、すなわち、走行方向前方をスキャンする機種と走行方向側方をスキャンする機種を取り上げ、それぞれの計測方法について、計測装置の概要や計測方法、計測結果例、データ整理方法についてとりまとめた。前方をスキャンする方法と側方をスキャンする方法について、どちらの方法でもGPSの計測誤差に基づく絶対値の誤差がありうるが、計測時の相対的な誤差については十分な精度の測定結果を得ることができることを確認した。前方スキャンの場合、測定範囲が狭いので計測回数が多くなる欠点があり、側方スキャンの方が、測定範囲が広いので計測回数が少なく、空港測量にはより適していることがわかった。数時間の計測時間中における相対的な誤差は小さいことから、絶対値としてのGPS観測誤差を補正するために、標高が既知な点を計測範囲に含むことが有効である。 |
全文 |
/PDF/no1263.pdf
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