研究について

研究成果

異なる解析手法による直杭式桟橋のレベル1地震時の応答特性の比較

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 1260 2012年12月
執筆者 小濱英司、大久保陽介、楠健吾
所属 地震防災研究領域 耐震構造研究チーム
要旨 直杭式横桟橋のレベル1地震動に対する性能照査は、桟橋の固有周期及び杭仮想固定点における加速度応答スペクトルを用いて照査用震度を算出し、算出された外力を用いて静的な骨組解析を実施することにより、杭に発生する応力照査を行う方法が港湾基準に例示されている。一方、杭と地盤の動的相互作用を考慮できる解析手法として、2次元非線形地震応答解析を用いた照査方法がある。これらの方法は、同じ構造物、挙動を対象としているが、方法が異なることから条件によって結果が異なることが見られる。そこで本研究では、これらの骨組解析と2次元地震応答解析を行った場合の桟橋応答について比較検討を行い、その要因を解明することを目的とした。  骨組解析としてN-PIER、2次元解析にFLIPを用いて検討を行った。標準的な桟橋を対象とし、レベル1地震動変動状態として液状化は発生せず、護岸変位も大きくない条件で検討を行った。応答スペクトルを用いる骨組解析での地盤反力係数と減衰定数について、2次元解析における杭―地盤間のばね剛性や桟橋全体の減衰と同等にすることにより、上部工加速度や杭曲げモーメントが整合することを確認した。
全文 /PDF/no1260.pdf