研究について
研究成果
油拡散を考慮した流出油の数値計算法の開発
発行年月 | 港湾空港技術研究所 資料 1255 2012年09月 |
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執筆者 | 松﨑義孝、藤田勇 |
所属 | 沿岸環境研究領域 混相流体研究チーム |
要旨 | 本研究では海上に流出した油の漂流予測を行う、油拡散粒子モデルを開発した。油拡散粒子モデルは海表面の油に関して、油膜自身の特性による油拡散(Spreading)、流れの乱れによる渦拡散(Diffusion)、海表面流れによる移流を計算できる。油膜自身の特性による油拡散は、粒子を用いて計算するモデルを新たに導出し、連続的な油流出の計算も取り扱えるようにした。開発した油拡散粒子モデルを用いて、2007年に発生した韓国泰安沖油流出事故の再現計算を行い、観測と同様の結果が得られた。また、油拡散粒子モデル計算に必要な油の渦拡散係数、潮汐流計算に必要な水平渦動粘性係数、鉛直渦動粘性係数に関して感度分析を行った。今回の気象、海象条件,計算条件下では油の渦拡散係数、水平渦動粘性係数は30m2/s程度、鉛直渦動粘性係数は0.10 m2/s程度で計算すると油拡散をよく予測できた。さらに、吹送流を数値計算で求めるには水面近傍の空間刻みを小さくとる必要があり、計算時間が長くなることから実務上適さないことがわかった。吹送流による油の移流を計算するには風係数法を用いることを提案する。 |
全文 |
/PDF/no1255.pdf
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