研究について

研究成果

2011年東北地方太平洋沖地震の地震動に対しての地盤の液状化挙動に関する考察

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 1242 2011年12月
執筆者 山﨑浩之、後藤佑介
所属 地盤研究領域 動土質研究チーム
要旨 2011年東北地方太平洋沖地震での地震動は、継続時間が3分を超える非常に長いもので、過去にない地震動であった。本論文では、このような継続時間の長い地震動に対しての地盤の液状化現象について、現地で観測された地震動を用いて検討を行っている。  検討は、粒度・N値法による液状化予測判定法の検証のための事例解析、不規則波に対する補正係数についての著者らの提案式の室内液状化試験による検証、および室内試験結果を用いた液状化現象に及ぼす継続時間の影響についての考察からなっている。得られた結論は以下のとおりである。 ・液状化予測判定手法については、設計で用いるのに妥当な方法であることがわかった。 ・不規則波に対する補正係数についての実験式は、試験結果より得られた補正係数とほぼ整合していた。 ・液状化現象に関する考察では、継続時間が長くなると液状化状態における発生ひずみ量が大きくなり、地盤の液状化の程度、すなわち液状化による被害は大きくなり、液状化に対して「ねばり」がなくなる。特に、密度の小さい緩詰め状態の砂でこの傾向は顕著である。
全文 /PDF/no1242.pdf