研究について
研究成果
既存矢板壁に対する控え工増設の補強効果とその評価法の開発
発行年月 | 港湾空港技術研究所 報告 050-04-03 2011年12月 |
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執筆者 | 森川嘉之、菊池喜昭、水谷崇亮 |
所属 | 地盤研究領域 地盤改良研究チーム |
要旨 | 近年、既存岸壁の補強、機能強化に関する要望が高まっている。このような要望への対応策として、控え式矢板壁については控え工増設工法が提案されている。しかし、控え工増設工法は、控え工増設前後の矢板壁の曲げモーメントや矢板壁に作用する土圧の変化などの設計上の取扱いが難しく、設計法の確立にいたっていない。控え式矢板壁のようなたわみ性壁体の設計においては、構造物がどのような土圧や地盤反力を受けるかということが非常に重要である。したがって、控え工増設による矢板壁の負荷低減効果だけでなく、矢板壁に作用する土圧の変化を評価し、設計法に反映する必要がある。 そこで本研究では、控え工増設工法の設計法の構築を目的として模型実験を実施し、控え工増設による矢板壁の負荷低減効果および矢板壁に作用する土圧の変化を把握した。その結果、増設タイ材の取付点高さによって矢板壁の挙動モードが異なり、負荷低減効果が大きく変化することがわかった。また、実験結果を元に、控え工増設時の矢板壁への作用をモデル化し、弾性床上の梁理論を考慮した控え工増設工法設計のための数値解析手法を開発した。そして試計算を行い、最適な増設タイ材の取付点高さや控え杭の形式を検討した。さらに、矢板壁前面の固化処理等と併用することで、岸壁水深増大に対する補強工法として、控え工増設工法が適用可能であることを確認した。 |
全文 |
/PDF/7cf67626fb684b8c9fea443d0d61e1872ca81ee6.pdf
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