研究について

研究成果

砕波帯内外における沿岸漂砂量の岸沖分布の推定

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 049-02-05 2010年06月
執筆者 栗山善昭
所属 海洋・水工部 沿岸土砂管理研究チーム
要旨 砕波帯内で卓越すると考えられる砕波によって浮遊した底質の移動と砕波帯外で支配的と考えられる底面近傍における掃流状態での底質移動の両方を考慮した沿岸漂砂量の岸沖分布推定モデルを構築した。モデルの推定精度を、流れのみの条件の下での掃流砂量、総沿岸漂砂量、および浮遊沿岸漂砂量の岸沖分布の観点から検討した結果、本モデルは、現地における沿岸漂砂量の岸沖分布を、実測値の1/4~4倍の範囲ではほぼ確実に、実測値の1/2~2倍の範囲ではおおむね推定できることが明らかとなった。続いて、上記のモデルを用いて茨城県波崎海岸における沿岸漂砂量の岸沖分布を2時間ごとに15年間分計算し、それらを平均することにより平均沿岸漂砂量の岸沖分布を求めた。その結果、波崎海岸における平均沿岸流は、岸から約130mの地点よりも岸側の領域では北向き、それより沖では南向きの沿岸流が卓越しているのに対して、沿岸漂砂量は、岸から160mの地点よりも岸側の領域ではその値が小さく、それより沖では南向きとなった。また、平均沿岸流速は一つのピークを持っているのに対して、平均沿岸漂砂量は二つのピークを持つ分布となった。
全文 /PDF/vol049-no02-05.pdf