研究について

研究成果

載荷試験を活用した鋼管杭の設計・施工管理手法の体系化

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 1202 2009年09月
執筆者 菊池喜昭、水谷崇亮、森川嘉之
所属 地盤・構造部 地盤・構造部長
要旨  本稿では、まずはじめに、現在の技術水準を示すため、現在の考え方に基づく設計施工の流れを示した。次いで現在の開端杭の支持力に関する設計法の課題を示した。これらを背景に、開端杭の先端支持力の発現メカニズムに関する検討を行なった。さらに、近年の載荷試験方法の動向について紹介し、杭の支持力推定に用いることのできる載荷試験方法についてまとめ、施工管理までを含めた載荷試験結果の利用法をまとめた。以上の検討結果と付録A、Bに示した杭の施工に伴うトラブルの実態調査結果に基づき、新しい杭の支持力推定手法の考え方を提案した。  本研究の主たる結論は以下のものである。  1)N値を基本とした現在の日本の杭の先端支持力推定手法は、根入れ長が50 mを超える杭に対しては適用が困難である。  2)開端杭の先端抵抗は、杭実質部の先端抵抗と杭先端から杭径のほぼ2倍までの区間の杭の内周面摩擦によって発揮されているようである。  3)動的荷重を載荷する杭の載荷試験方法が普及してきており、その簡便さから、杭の支持力推定や杭の施工管理に新しい杭の載荷試験を活用できる。  4)以上の検討結果から、杭の載荷試験をより積極的に活用した杭の設計施工の考え方を示した。  尚、本稿は、独立行政法人港湾空港技術研究所、社団法人日本埋立浚渫協会、鋼管杭協会(現 一般社団法人鋼管杭・鋼矢板技術協会)の3者で平成18年から平成20年まで実施した共同研究の成果を中心に取りまとめたものである。
全文 /PDF/no1202.pdf