研究について

研究成果

フェリーによる伊勢湾口の水質と流況の連続観測について

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 1199 2009年09月
執筆者 鈴木高二朗、中村由行、田中陽二
所属 海洋・水工部 海洋環境情報研究チーム
要旨  伊勢湾口のフェリーに、流況・水質を連続的に計測するシステムを設置し、2008年3月より連続的に計測を開始した。2008年11月までのデータを解析した結果、以下のことが明らかとなった。 1) 伊勢湾口での潮流は、最も深い伊良湖水道部で大きく、大潮時では1m/sに及んでいた。 2) 残差流は、湾中央部と伊良湖水道で流入量が最も大きかった。 3) 大潮時と小潮時の平均残差流を比較したところ、残差流の断面分布は大潮時の方が小潮時よりも全般に表層で流入量が多くなっていた。 4) フェリーで計測される表層の塩分は全般に伊良湖側が大きい傾向にあった。これは伊勢湾口の断面積が小さいため、潮流が大きく海水が混合しやすいこと、さらに伊良湖側の水深が深いため下層の高塩分水と表層の低塩分水が混ざることによって起こるものと考えられる。 5) 淡水流入量の大きかった9月初旬には塩分が約22.1PSUまで減少した。ただし、塩分の低下は淡水流入の時期とは一致していない場合もあった。これらの塩分低下は小潮の時に相当していた。
全文 /PDF/no1199.pdf