研究について

研究成果

関西国際空港海底粘土の長期圧密挙動に関するアイソタックモデルによる評価

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 048-02-03 2009年06月
執筆者 渡部要一、田中政典、佐々真志、森川嘉之
所属 地盤・構造部 動土質研究チーム
要旨 ひずみ速度効果に着目してアイソタック概念を取り入れた粘土の圧密特性に関する研究が、多くの研究者によってなされてきた。これらの研究の多くは、長期圧密に関する予測精度の向上を目指したものである。本研究では、関西国際空港の長期的な圧密沈下挙動の予測精度向上を目指しており、その第一段階として、関西国際空港海底粘土の長期圧密特性をアイソタック概念に基づいて整理した。ここでは、アイソタック概念を圧縮曲線ならびに圧密降伏応力とひずみ速度の関係によって単純化したモデルを新たに提案する。圧縮曲線については、定ひずみ速度圧密試験によって簡単に求められる。また、後者の関係については、長期圧密試験から得ることができ、同関係は3つのアイソタックパラメータを取り入れた単純な関係式で表される。提案モデルは、最も試験数が少ない場合を考えると、定ひずみ速度圧密試験と長期圧密試験をわずか1ケースずつ実施すれば良く、実用的である。関西国際空港建設地の海底からさまざまな深度で採取した粘土に対して、3つのアイソタックパラメータはそれぞれ共通の値を設定できることが明らかとなった。
全文 /PDF/vol048-no02-03.pdf