研究について

研究成果

NOWPHAS波浪観測データを用いたうねり性波浪の来襲特性に関する一考察

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 1191 2009年03月
執筆者 加島寛章、平山克也、平石哲也、清水勝義
所属 海洋・水工部 波浪研究チーム
要旨 2000年以降、地球温暖化の影響によると思われる台風経路の変化や大型化の影響により、全国各地において港湾構造物の損壊被害が多発している。中でも、波高は設計波より小さいが、周期が設計波よりも長い10s以上のうねり性波浪の来襲によるものが増加している。特に、本研究を始めるきっかけとなった2004年5月には、久里浜湾において台風2号の通過に伴ううねり性波浪の来襲により漁船転覆事故が発生した。この時、久里浜湾近傍にある波浪観測地のアシカ島だけでなく、関東から四国地方に至る太平洋沿岸においても同様なうねり性波浪が確認された。したがって、これまで日本沿岸に網羅的に配置されたNOWPHAS波浪観測データを有効に活用し、うねり性波浪の来襲予測を行うことにより、このような事故や港湾構造物の損壊被害を低減できることが期待される。そこで、国の港湾におけるうねり性波浪の来襲予測を行うため、台風の通過時にNOWPHASで観測された波高データからうねり性波浪の来襲と通過台風との関係について解析的な検討を行い、台風とうねり性波浪来襲の関係からうねり性波浪の来襲予測を試みた。その結果、波高データから台風の通過に伴ううねり性波浪の来襲をある程度予測することが可能となり、日本海の地域では台風の通過後に、太平洋側では台風の通過前にうねり性波浪が来襲する危険性が高いことが判明した。
全文 /PDF/no1191.pdf