研究について

研究成果

リプレイサブル桟橋上部工の構造性能評価手法に関する研究

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 048-01 2009年03月
執筆者 岩波光保、加藤絵万、横田弘
所属 地盤・構造部 構造・材料研究チーム
要旨  港湾構造物の中でも、桟橋の上部工コンクリートには塩害による劣化が最も生じやすく、数多くの劣化事例が報告されている。塩害による劣化がある程度以上進行すると、構造物の構造性能に影響を及ぼすようになることから、構造物の安全性と円滑な荷役作業を担保するためには、適時適切な対策が必要となる。過去の調査によれば、早ければ10年、平均的にみても供用後20~30年で大規模補修などの対策を行うことが多く、この早期劣化がライフサイクルコストを大幅に増大させる原因となっている。  桟橋上部工の定期点検診断にあたっては、上部工下面の目視調査が不可欠であるにもかかわらず、波浪や潮位により船上での作業時間が制約される上に、場合によっては足場を設置する必要があるなど、容易に点検診断が行える状況ではない。  そこで、桟橋上部工の維持管理を容易にすることでライフサイクルコストの削減に寄与できる新しい構造形式を実現するため、供用後に部材の取外しや交換が可能な「リプレイサブル桟橋上部工」の開発を行った。本稿では、リプレイサブル桟橋上部工の概要と特徴について述べるとともに、構造性能評価のための模型実験の結果とこれに基づく構造性能照査法と部材接合部の構造細目について報告する。
全文 /PDF/vol048-no01.pdf