研究について

研究成果

盛土荷重下の杭式深層混合処理地盤の安定性に関する研究

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 047-01-01 2008年03月
執筆者 北詰昌樹
所属 地盤・構造部 地盤改良研究チーム
要旨  深層混合処理工法(DMM)は、これまで軟弱地盤の改良に広く適用されてきている。深層混合処理工法による改良パターンの中で、杭式改良地盤は盛土や比較的軽量の構造物の基礎地盤の改良などに用いられている。杭式改良地盤に関する現行設計法では、外部安定および内部安定の検討を行っている。外部安定性の検討においては、個々の杭が一体として支持砂層上面を水平方向に変位する滑動破壊を検討している。一方、内部安定性の検討では、円弧すべり解析によって改良杭自体の安定性を検討している。外部安定性に関して、滑動破壊ではなく改良杭が将棋倒しのように倒れる倒れ込み破壊が生じることが指摘されている。しかし、現行設計法ではこの様な破壊パターンを考慮しておらず、外部安定性に関して過大評価している可能性が高いと思われる。一方、内部安定性の検討では、円弧すべり解析によって改良杭自体の安定性を検討している。しかし、内部安定性に関して、円弧滑りやせん断破壊ではなく改良杭は曲げ破壊が生じることが指摘されている。しかし、現行設計法ではこの様な破壊パターンを考慮しておらず、内部安定性に関しても過大評価している可能性が高いと思われる。  そこで、本研究では盛土荷重下の杭式改良地盤の外部安定性と内部安定性に着目し、改良地盤の改良幅、改良率および改良杭の強度を変化させた遠心模型実験を行った。特に内部安定性に関する実験では、盛土載荷中の改良杭の破壊時点を特定できるように工夫し、改良杭の破壊と地盤の変形挙動との関係を調べた。実験で得られた改良地盤の破壊パターンを基に簡単な安定計算法を提案し、その妥当性を示すとともに改良地盤の破壊メカニズムについて検討した。さらに、盛土荷重下の杭式改良地盤の安定性に関する数値計算を行い、現行設計法の特性、これまでの研究で得られた破壊モードを考慮した設計法の特性を検討した。
全文 /PDF/vol047-no01-01.pdf