研究について

研究成果

宮崎住吉海岸におけるビデオ画像を用いた砂浜と沿岸流の長期連続観測

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 046-03-02 2007年09月
執筆者 鈴木高二朗
所属 海洋・水工部 沿岸環境領域
要旨 2001年8月より2007年3月にかけて宮崎県住吉海岸において、ビデオ観測によって海岸地形と沿岸流の長期連続観測を実施した。近年、住吉海岸は激しい海岸侵食に見舞われている。本研究では、このような侵食海岸での長期的な海岸地形の変化について検討した。また、沿岸漂砂をより正確に把握するために、沿岸流の長期観測を実施した。ここで、得られた結論は以下のとおりである。 1)宮崎住吉海岸では、当初、汀線から70mと300m沖合に2つバー(インナーバーとアウターバー)があり、インナーバーではバーの岸沖方向のサイクリックな移動やそれにともなうリップチャネル(離岸流の発生する深み)の発生などが見られた。 2)インナーバーとアウターバーにできる沿岸方向の起伏が、南方向にインナーバーで2m/day、アウターバーで4m/day の速度で移動するという、特異な現象が観測された。 3)2001年夏~2003年夏まで、インナーバーとアウターバーの2つのバーが見られたが、2003年夏季に台風が複数回連続的に来襲し、インナーバーが消失した。 4)住吉海岸では南からのうねりによる北向きの沿岸流の発生頻度が少ないのに対し、南向きの沿岸流の発生頻度が多かった。
全文 /PDF/vol046-no03-02.pdf