研究について

研究成果

深層混合処理地盤の性能設計法導入に向けた検討について

発行年月 北詰昌樹,長尾毅 報告 046-01-01 2007年03月
執筆者 北詰昌樹、長尾毅
所属 地盤・構造部 地盤改良研究チーム
要旨  冷戦構造の崩壊に伴って世界に単一の市場が出現し、グローバルな大競争の時代に突入している。そのため、国際社会は共通のルールづくりが必要となり、国家間での共通の言語として「性能」をキーワードにしようとする動きが出てきた。国際標準化機構や欧州連合では、部分係数法を用いた限界状態設計法の導入を進めている。このような世界の流れを受け、港湾の技術基準である「港湾の施設の技術上の基準・同解説」においても、できうるかぎり仕様規定を排除し、信頼性設計法を導入するべく改訂作業が進められている。我が国で広く用いられている深層混合処理工法においても、限界状態と破壊モードに応じた性能関数および部分係数が新しい技術基準に盛り込まれる予定である。技術基準の改訂作業にあたって、性能照査式の検討、部分係数の設定と検証、キャリブレーション計算などの多くの検討・計算を行った。しかし、これらの検討結果の詳細については技術基準ではほとんど記述されていない。  そこで、本稿では技術基準を用いて設計する技術者に技術基準の基本的な考え方や根拠などを提供する目的で、限界状態の設定と破壊モードに応じた性能関数の設定および部分係数に関してキャリブレーションなどの検討、あわせて目標信頼性指標の評価と最適な部分係数を求めるために行った検討などについて取りまとめた。改訂作業・検討は約4ケ年に及んだために、最終の技術基準を得るまでに多くの試行錯誤・紆余曲折があった。これらの試行錯誤・紆余曲折も、今後同様な検討を行う技術者・研究者にとって有益な情報を与えると思われるため、本稿ではこれらについても煩雑にならない範囲で記述することとした。
全文 /PDF/vol046-no01-01.pdf