研究について

研究成果

サンゴ礁-海草藻場間でのリン・窒素輸送に関する現地観測

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 1148 2006年12月
執筆者 井上徹教、細川真也、内村真之、神尾光一郎
所属 海洋・水工部 主任研究官
要旨  亜熱帯沿岸域におけるサンゴ礁-海草藻場間におけるリン・窒素の輸送量の収支を定量化する目的で、沖縄県石垣市吹通川河口前面海域における海草藻場の周囲に測線を設定し、1 潮汐間のリン・窒素のフラックスに関する観測を行った。観測期間中は北東風が連吹し、海草藻場が存在する岸から200~300m以内の浅海部分では吹送流とみられる北東から南西に向かう沿岸流が卓越しており、恒常的に北東方面から流入、南西方面から流出していることが わかった。また、水深が7m程度の狭窄部付近においては潮汐による流入出も観測された。  水質分析の結果、測線の北東部におけるリン・窒素濃度は、南西部における濃度よりも概ね高い傾向がみられた。これにより、総和としては測線外から測線内へのリン・窒素の輸送が存在することが示された。また、狭窄部においては中層で特異的な流入が見られる場合があり、これにより比較的大きく突発的な流入が存在し、これが測線を横断するリン・窒素の収支に影響を 及ぼすことが示された。
全文 /PDF/no1148.pdf