研究について

研究成果

波崎海洋研究施設で取得された長期現地観測データに基づく卓越沿岸流の岸沖分布の検討

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 045-04-02 2006年12月
執筆者 栗山善昭,柳嶋慎一
所属 海洋・水工部 漂砂研究室
要旨 茨城県波崎海岸において15年間にわたり1日1回ほぼ毎日取得した沿岸流速データを解析した。卓越沿岸流の方向は岸と沖で異なっており、岸側では北向きの沿岸流が卓越したのに対して、沖側では南向きの沿岸流が卓越した。この原因は、北向きの沿岸流が生じた場合には、波高が相対的に小さく、北から及び南からの風が同じ頻度であったのに対して、南向きの沿岸流が生じた場合には、波高が大きく、北からの風が卓越していたことにある。前者では、汀線近傍の狭い砕波帯内のみで北向き沿岸流が発達するのに対して、後者では、砕波帯幅が広く、砕波帯外でも風による沿岸流が発達するため岸沖方向に一様に近い南向き沿岸流が形成される。以上の流速分布が重なり、卓越沿岸流の向きが岸と沖で異なった。
全文 /PDF/vol045-no04-02.pdf