研究について

研究成果

浮き型SCP改良地盤の埋立載荷時の挙動に関する模型実験

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 1143 2006年09月
執筆者 中村健、高橋英紀、北詰昌樹
所属 地盤・構造部 地盤改良研究室
要旨  近年、港湾空港整備では費用対効果を大きくすることを目指しており、サンドコンパクションパイル工法による軟弱粘土層の地盤改良事業においても現行設計法の許す範囲内で改良率の低減や、改良範囲の縮小が試みられている。従来においても、SCP 施工機によって打設可能な深さよりも粘土層が厚いために未改良の粘土層を下部に残さざるを得ないケースも見受けられた。このように、軟弱粘土層を貫通しない「浮き型」のSCP 工法が施工される例が増加している。  本研究では、浮き型を含めたSCP 改良地盤が破壊時にどのような地盤挙動を示すかを確認し、その破壊パターンに即した設計手法を提案することを目指し、遠心模型実験と破壊モデルを考慮した数値計算を行った。遠心模型実験では、改良域上部に設置した護岸の背後を埋め立て、改良地盤の破壊パターンを観察した。地盤の破壊実験の結果、SCP 改良杭が中途で折れ曲がり改良域の上部が海側へ大きく水平変位する破壊パターンと、改良域下部の粘土層を通過するすべり破壊パターンの2 通りが生じることが確認された。実験で得られた破壊パターンを念頭において、地盤に働くつり合い条件から数種の簡便な破壊モデルを構築した。また、現行設計法である円弧すべり計算や、提案した解析手法によるパラメトリック・スタディを実施し、解析結果を遠心模型実験結果と比較した。その結果、破壊パターンに関しては、解析結果と実験結果はほぼ整合性が取れていた。
全文 /PDF/no1143.pdf