研究について

研究成果

港湾RC構造物における塩化物イオン拡散係数調査結果および簡易推定手法に関する検討

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 1141 2006年09月
執筆者 山路徹、中野松二、浜田秀則
所属 ライフサイクルマネジメント支援センター 特任研究官
要旨  本研究では、港湾コンクリート構造物において、塩害による鉄筋腐食照査を行うために必要である見かけの塩化物イオン拡散係数Dap について、暴露試験体および実際の港湾RC構造物から求め、各種要因がDap に及ぼす影響について検討を行った。その結果、得られた知見を以下に示す。 (1)実際の港湾RC 構造物におけるDap の値は大きく変動していた。ただし、コンクリートの配合および使用材料に関しては不明なため、その原因について特定するのは困難である。 (2)暴露試験体および実際の港湾RC 構造物のいずれにおいても、質量測定により簡易に求めた空隙率とDap の間には良好な関係が見られた。すなわち、質量測定により求めた空隙率を測定することにより、簡易に実構造物におけるDap の予測が可能となる。  また、以上の結果を踏まえ、簡易なDap の予測手法およびコンクリート中の塩化物イオン量分布予測手法について検討した。その結果、得られた知見を以下に示す。 (3)コンクリート構造物の表面部のみから小径のコア(φ25mm、長さ20mm 程度)を採取して、表面付近の塩化物イオン量Co および空隙率の測定を行うことで、Dap を推定し、Co およびコンクリート内部の塩化物イオン量の分布の推定が可能なことを確認した。ただし、コンクリートの中性化がコアを採取した深さよりも内部まで進行していた場合は、測定精度が劣る可能性が高い。
全文 /PDF/no1141.pdf