研究について

研究成果

数種類の骨材を用いた硫黄固化体の材料物性

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 1129 2006年06月
執筆者 浜田秀則、堀井秀之、審良善和
所属 地盤・構造部 材料研究室
要旨  スラグや貝殻などの産業副産物を主としたリサイクル材料の港湾用途への研究が盛んに行われており、セメントコンクリートあるいは各種固化体の骨材等に適用されている。それら骨材をより多量に使用できることは望ましいが、スラグなどの骨材中には金属鉄が存在している場合があり、錆びて体積膨張を起こし構造物に損傷を与えることが懸念される。結合材に改質硫黄を用いた硫黄固化体は、骨材が密に充填されているため骨材の含有量が高く、かつ緻密な構造であるため高い遮水性を有していることから、これら課題を克服する材料の一つとして有効であると考える。  本研究では、さらなる再利用が期待されている数種類の骨材、具体的には工業系の副産物である製鋼スラグと電気炉スラグ、及び水産系の副産物であるホタテ貝殻を骨材として用いた硫黄固化体の、根固めブロックや藻礁などの無筋の港湾構造物への適用性について研究するものである。本報告では初期における材料特性について検討した。特に、圧縮特性に関しては0~80℃の温度範囲での温度依存性を検討した。その主な結果を以下に示す。  (1)温度の上昇に伴い圧縮強度、静弾性係数が減少する。  (2)0~40℃の温度範囲では、骨材に製鋼スラグあるいは電気炉スラグを用いた硫黄固化体は普通コンクリートと同等以上の性能を、また骨材に粉砕したホタテ貝殻を用いた硫黄固化体は軽量コンクリートと同等以上の性能を有している。
全文 /PDF/no1129.pdf