研究について

研究成果

深層混合処理工法による液状化抑制効果の検討及び改良深度を縮減した新しい格子配置の提案

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 045-02-06 2006年06月
執筆者 高橋英紀、山脇秀仁、北詰昌樹、石橋伸司
所属 地盤・構造部 地盤改良研究チーム
要旨  液状化現象を再現するために多くの動的遠心模型実験が行われているが、模型地盤の飽和度や通水方法の違いが飽和度に与える影響について検討した研究はこれまでほとんどない。そこで本研究では、3種類の方法で作製した模型地盤に対してP波の伝播速度を用いて飽和度を調べ、完全飽和模型地盤の作製方法について検討した。その結果、作製方法の違いによって飽和度は大きく変化することが確かめられ、炭酸ガスで間隙を置換した後に真空下で通水する方法が完全飽和模型地盤を作製するためには適していることがわかった。また、深層混合処理工法による液状化抑制効果の検討に先立って、実物スケールの挙動に対する動的遠心模型実験の実験精度を検証するために、3種類の寸法の模型に対してModeling of models 手法を適用した遠心模型実験を実施した。  近年、液状化対策工法として深層混合処理地盤を格子状に形成して抑制する工法が注目されている。これは壁面状に改良土を打設することによって地盤のせん断変形を抑制し間隙水圧の上昇を低減するものである。この工法での格子間隔の決定方法については簡便な設計指針が示されているが、液状化層厚が薄い場合や厚い場合に極端な設計となるなどの不合理さが指摘されている。本研究では、格子間隔を変化させた一連の動的遠心模型実験及び数値解析を実施し、地盤の動的応答特性や間隙水圧の上昇特性について調べ、格子間隔と液状化抑制効果の関係を明らかにした。これらの実験結果に基づいて格子間隔の新たな設計法を提案した。さらに、コスト縮減のために新たな格子配置を提案し、その配置による地盤の液状化特性を検討した。
全文 /PDF/vol045-no02-06.pdf