研究について

研究成果

既設桟橋のライフサイクルシナリオに関する検討

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 1114 2005年12月
執筆者 横田弘、山内浩、加藤絵万、岩波光保
所属 ライフサイクルマネジメント支援センター ライフサイクルマネジメント支援センター長
要旨 高度経済成長期に建造された港湾構造物の多くは、老朽化が進んでおり、その数は今後も加速的に増加していくことが予測される。港湾構造物の性能を常に要求水準以上に保持した状態で、より長く利用するためには、効率的かつ低コストとなるマネジメント手法の確立が必要である。このような背景の中、近年、港湾構造物のライフサイクルコストに関する検討が進められ、多くの成果が報告されている。しかしながら、報告されたライフサイクルコスト算定手法のほとんどは、材料劣化による機能低下について評価しており、補修時における耐荷性を反映した研究事例は少ない。  本研究では、既設桟橋式係船岸の劣化状況および劣化予測結果をもとに、補修時の耐荷性を定量的に評価し、耐荷性のレベルと関連づけした地震リスク(復旧費用)を算出した。この復旧費用を補修費用および維持管理費用と加算したものをライフサイクルコストとして定義し、最適なシナリオ(補修時期、補修工法など)を検討した。その結果、補修時の地震リスクを考慮した既設桟橋のマネジメント支援ツールを示すことができた。本研究で示した手法は既設桟橋だけでなく、新設の桟橋の維持管理計画の立案時にも有用となる。
全文 /PDF/no1114.pdf