研究について

研究成果

固化処理土とジオグリッドの併用による港湾構造物の増深および耐震性向上法(SG-Wall工法)の検討

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 1111 2005年12月
執筆者 一井康二、高羽泰久、弘中淳市、福田光治、重久伸一
所属 地盤・構造部 地盤改良研究室
要旨 浚渫土等を用いた港湾構造物の新しい構築工法として、国化処理工法(Soil stabilization)と補強土工法(Geosynthetics;特にジオグリッド)を組み合わせた工法(SG・Wall工法)を開発した。本工法の適用先は、新規の岸壁の建設だけではなく、増深を伴うような既存施設の機能更新である。  基礎的な性質を把握するための室内実験を2種類行った後、既存の重力式岸壁を-15mから-16mに増深するケースを想定して1/24スケールの模型岸壁を作成した。また、これからの既存施設の機能更新においては耐震補強効果も要求されることから、模型岸壁に対し水中振動台による振動破壊実験を実施した。模型の製作過程において本工法の実現性について確認できただけでなく、振動実験の結果から本工法による耐震補強効果は非常に大きいことが明らかとなった。そして、実験の結果をもとに、既存のケーソン式岸壁及び矢板式岸壁に対して耐震補強及び増深等の機能更新のために本工法を適用する場合の、施工法などの考え方についてとりまとめた。なお、本資料では実験データを示すことを主眼としており、定性的な検討を述べるにとどめているが、今後、定量的な検討を実施していく予定である。ただし、先行して定量的な検討を一部について実施しており、この検討事例については試計算事例として付録にとりまとめた。
全文 /PDF/no1111.pdf