研究について

研究成果

各種混成堤における波力算定法の適用性に関する考察-衝撃砕波力係数など波力算定上の留意点-

発行年月 港湾空港技術研究所 資料 1107 2005年09月
執筆者 下迫健一郎、大崎菜々子
所属 海洋・水工部 耐波研究室
要旨 上部斜面ケーソン堤や直立消波ケーソン堤などの設計に用いられる現行の波力算定法は、主に水理模型実験結果をもとに提案されており、必ずしもすべての場合において十分な精度が保証されているわけではない。そのため、過去の事例と異なるような設計条件の場合、提案されている波力算定法をそのまま適用できるか判断に迷うケースも少なくない。また、近年では数値計算による波力の検討も行われているが、砕波を含む現象や特殊な形状の防波堤については、その計算精度に問題があり、直ちに実務に適用可能なレベルには達していない。  本研究では、通常の混成堤や、上部斜面ケーソン、直立消波ケーソンなどの特殊な形状の直立部を有する混成堤に作用する波力について、既往の水理模型実験結果の再整理を行うとともに、種々の設計条件において現行の波力算定法を用いた計算を行い、各種の混成堤における現行の波力算定法の適用範囲とその妥当性について検討した。本研究における主要な結論は以下のとおりである。  1) 通常の混成堤に作用する波力の算定に用いる現行の合田式に関して、水深が非常に深くなおかつ捨石マウンドが高い条件において、設計波高が比較的小さい場合に波力を過大に算定する問題点を解消するため、計算に用いる水深を補正する方法を提案した。  2) 上部斜面ケーソン堤に作用する波力について、通常の上部斜面堤と消波ブロック被覆上部斜面堤のそれぞれについて、現行の波力算定法の問題点と適用範囲を明らかにした。  3) 現在提案されている直立消波ケーソン堤の波力算定法を適用する際の注意点を明らかにした。
全文 /PDF/no1107.pdf