研究について

研究成果

短繊維補強コンクリートの港湾構造物への適用性評価に関する研究

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 044-03-01 2005年09月
執筆者 伊藤始、横田弘、岩波光保
所属 地盤・構造部 構造強度研究室
要旨  コンクリートは、引張荷重下あるいはせん断荷重下において脆性的に破壊するため、一般的に鉄筋を中心とした鋼材による補強が施される。しかしながら、鉄筋は、コンクリート内部に集中して配置されるため、ひび割れ分散性が十分でない場合や発生応力が局所化する場合がある。また、昨今の構造物の大型化や高性能化により、配筋が過密となり、施工面からも鋼材での補強には限界がある。これに対し、鋼材による補強に加えて、または代えて、コンクリート中に短繊維を分散させて混入することによりコンクリート部材の力学性能を改善する技術を取り上げた。  著者らは、これまでに基礎的な部材実験と施工性に関する研究を行ってきた。これらの研究に加えて、実寸大模型実験による構造性能の検討とコスト試算による経済性の検討を実施することで短繊維補強コンクリートの港湾構造物への適用性を評価した。構造性能の検討では、実寸大のフーチングやはりなどにおいても短繊維混入による構造性能の改善効果が確認できた。また、経済性の検討では、ケーソン式護岸のフーチングと消波ブロックにおいて、コスト縮減効果が確認できた。
全文 /PDF/vol044-no03-01.pdf