研究について

研究成果

信頼性解析に基づいた防衝工および係船柱の安全性評価に関する検討

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 1089 2004年12月
執筆者 米山治男、白石悟
所属 地盤・構造部 海洋構造研究室
要旨  近年、構造物の設計体系が従来の仕様規定から性能規定へと大きく改変され、構造物の安全性照査法に限界状態設計法が全面的に取り入れられてきている。一方で、港湾の物流環境は大きく変化してきており、船舶の大型化に伴い係留施設の建設位置の大水深化、外洋化などバースの建設条件も変化してきている。また、防衝工の安全性評価に関しては、温度補正係数および速度補正係数を用いた設計法が導入されつつあるという国際的動向もある。  そこで、本研究では、このような係留施設の設計条件の変化や防衝工設計法の動向を考慮して、信頼性解析を用いた防衝工および係船柱の安全性評価手法について検討した。まず、温度補正係数および速度補正係数を導入した防衝工の設計法について、限界状態設計法による性能照査の考え方を示すとともに、この設計法は従来の設計法よりも煩雑になることから、防衝工を簡便に選定できるデータベースシステムを作成した。また、バースの大水深化・外洋化、船型の大型化、船型の変化などの設計条件を考慮して、船舶の接岸力のモンテカルロシミュレーションおよび係留船舶の動揺シミュレーションにより、大型船舶の接岸力および係留力(衝突力、けん引力)の確率的変動特性を把握した。最終的に、船舶の接岸力および係留力の確率的評価結果に基づいて、信頼性解析により防衝工および係船柱の安全性を評価し、限界状態設計法における安全係数を算定した。
全文 /PDF/1db835065737138617f21defce1674106f15e36e.pdf