研究について

研究成果

高炉水砕スラグの固結に及ぼすpH,Ca2+の影響と固結水砕スラグの設計強度設定手法の検討

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 1088 2004年09月
執筆者 菊池喜昭、木村淳治、水谷崇亮、永留健
所属 地盤・構造部 基礎工研究室
要旨  本研究では、(1)水砕スラグの固結に対する間隙水の影響と(2)固結した水砕スラグの強度評価に関する検討を行った。  (1)については海水下で固化している現実を踏まえ、pH とCa2+ の存在の有無による固結の仕方の違いについて検討した。その結果、間隙水が海水の場合には、pH は高くないが、水砕スラグは固化する。間隙水がNaOH 溶液のようにpH が高いだけではすぐには固結反応は始まらないことが わかった。このような結果の違いには間隙水中のカルシウムイオンの存在の影響が大きいと考えられる。  (2)については除荷を含む非排水三軸圧縮試験結果と原位置から採取した不攪乱試料を用いた排水三軸圧縮試験結果をもとに、固化した水砕スラグの強度特性について検討した。この結果、固化した水砕スラグを一軸圧縮強度以下で圧密三軸試験をすると、固化しないものに比べて初期強度、最終強度ともに大きくなることがわかった。また、固化した水砕スラグの残留内部摩擦角は、固化しない水砕スラグの内部摩擦角よりも大きいことが示された。また、固化した水砕スラグは低いせん断レベルから摩擦性のせん断特性を示す。以上を踏まえ、固化水砕スラグの排水せん断時における軸差応力最大時の強度τd は、cd とφd の組み合わせとして考えることが適していると判断した。
全文 /PDF/0e5d0a0f16fb3695c00ba2ae63d75282837d22d2.pdf