研究について

研究成果

自沈式有孔管を用いたサンドバイパス工法の開発

発行年月 港湾空港技術研究所 報告 1086 2004年09月
執筆者 野口仁志、藤田雄治
所属 施工・制御技術部 流体技術研究室
要旨  我が国においては砂浜の侵食に苦慮する海岸が多く、砂浜の保全及び再生回復が課題となっている。そしてその対策の1つとしてサンドバイパス工法がある。従来の典型的なサンドバイパス工法の例としては、ショベルカーにより砂を集積しダンプカーにより輸送する方法である。この方法は、砂の集積装置であるショベルを前後左右上下に動かすための移動機構や、ダンプカーの運転手等を含め多くの作業員を必要とする。また、ダンプカー輸送による大気汚染、騒音等の環境面でも課題がある。  そのため、新たなサンドバイパスシステムを提案する。システムの構成は簡易なものである。有孔管に泥水ポンプが搭載され、有孔管はポンプ吸入口に接続されポンプ出口は、排砂管へと繋がっている。有孔管の下部には水ジェット管が取り付けられている。砂の上に装置を置く。水ジェット管から水を噴出させ、周囲の砂を流動化させて有孔管内に砂を海水とともに取り込む。砂が流動化することでポンプを搭載した有孔管はその重量のため、砂の中に沈んでいく。このようにして砂を集積しながら、砂の中に沈んでいくことで連続的に砂を集積して輸送するものである。  プロトタイプ実験装置を試作し現地実験を行った。約1時間の連続運転において、200~500l/minの砂量を集積・輸送することが出来た。この量は、約3 ヶ月間の連続運転において約50,000m3 に相当する量である。
全文 /PDF/3634a299d47088bb2ef8b9b43d9107865f5f2217.pdf